3Dプリンター造形物の色塗り課題を克服!住宅・家具メーカーがワークショップで自社製品をPRする次世代活用法
木質フィラメント×水性顔料マーカーで色塗り課題を解決
一般的なプラスチック素材の塗装に付きまとう「ニオイ」「乾燥時間」「下地処理の手間」という3つの課題。これらを一挙に解決し、企業イベントやワークショップを現実のものにするのが、PLA(ポリ乳酸)に木粉を配合した「木質フィラメント」と、手軽に使える「水性顔料マーカー」の組み合わせです。
PLAに木粉を配合した素材の吸水性と定着力
木質フィラメント(例:marui labが開発する、広葉樹の端材由来の木粉を配合したmarui filamentなど)の最大の秘密は、素材そのものに本物の木粉が混練されている点にあります。純粋なプラスチックは水分を完全に弾いてしまいますが、木粉が配合された造形物の表面は、微細な木の繊維が露出した状態になります。
これにより、水性のインクであっても表面で弾かれることなく、適度な吸水性と高い定着力を発揮します。有機溶剤を含む特殊なプラモデル用塗料を使わなくても、身近な筆記具でしっかりと色が乗る基盤が、素材そのものの構造によって実現しているのです。
担当者
木質フィラメントは天然の木粉がベースになっているため、プラスチック特有のテカテカした質感が抑えられ、最初からマットで落ち着いた「木の風合い」を持っています。そのため、下地処理を施さなくても、塗った色が安っぽく浮かずに美しく馴染むのが大きな特徴です。
下地処理なしで水性顔料マーカーやペンが使える理由
イベント運営において劇的なメリットとなるのが、「事前のやすりがけやサースフェイサーによる下地処理が一切不要」になり、机の上でペンを走らせるだけで着色できる点です。文房具店などで簡単に手に入る一般的な「水性顔料マーカー」を使用すれば、不透明で鮮やかな発色が得られます。
水性顔料マーカーは有機溶剤を一切含まないため、屋内イベントでも嫌なニオイが周囲に広がる心配はありません。また、インクの乾燥スピードが非常に早く、塗った直後から触ることができるため、「その場で塗って、その場で組み立ててすぐ持ち帰る」というワークショップの理想的なタイムスケジュールを可能にします。さらに、液だれや飛び散りのリスクが極めて低く、万が一手や机に付着しても水拭きや手洗いで落としやすいため、運営側の養生や後片付けの負担も最小限に抑えられます。
住宅展示場やイベントでの具体的な活用アイデア
木質フィラメントと水性顔料マーカーの組み合わせは、単なる「きれいに色を塗る手法」に留まりません。住宅メーカーや設計事務所、家具メーカーにとって、顧客とのエンゲージメントを高め、自社のこだわりを伝える強力な体験型マーケティングツール(ワークショップ)へと昇華させることができます。
自社製品ミニチュアの組み立て体験
イベントの核となるのは、自社が実際に設計・製造している「家」や「家具」をモチーフにしたミニチュアの作成です。フィラメント式の3Dプリンター(FDM方式)であれば、複雑なデータからでも自由度の高い造形が可能なため、自社の代表的なプランの住宅ミニチュアや、看板商品のテーブルや椅子のミニチュアをあらかじめ出力しておくことができます。
ただ完成品を渡すのではなく、薄い板状のパーツを立てて組み上げる「立体パズル」のような形状や、自社製品の家具や家をモチーフとした、凹凸を噛み合わせる組み立て式にしておくことで、参加者は「ものづくり」のプロセスそのものを楽しむことができます。さらに、実用的な小物入れになるよう設計しておくことで、イベント終了後も長く自宅で使われ続け、自社のブランドを思い出すノベルティとしての役割を永続的に果たします。
子供から大人まで楽しめる色塗りワークショップ
組み立てたミニチュアに、水性顔料マーカーを使って思い思いの色を塗ってもらうワークショップは、子供から大人まで夢中になれるアクティビティです。「将来どんな色の家に住みたいか」「自分の部屋にどんな色の家具を置きたいか」を想像しながら、壁や屋根、家具の天板に自由に色を乗せていきます。
木質フィラメント特有の「木の温かみのあるベースカラー(地の色)」があるため、原色をそのまま塗ってもプラスチックのようなチープさがなく、どこかクラフト感やヴィンテージ感のあるおしゃれな作品に仕上がります。液だれや飛び散りのリスクが極めて低く、万が一手や机に付着しても水拭きや手洗いで落としやすいため、運営側の養生や後片付けの負担も最小限に抑えられます。
- 高い安全性:有機溶剤のニオイがないため、室内の特設ブースやショールーム内の商談スペースのすぐ横でも開催可能。
- 汚れリスクの低減:水性顔料マーカーは液だれせず、机の養生や服が汚れる心配が極めて少ない。
- 驚きのスピード感:下地処理が不要でインクも即乾。参加者はその場ですぐに組み立てて持ち帰ることができる。
環境配慮(SDGs)を伝えるストーリー性
このワークショップの最大の付加価値は、イベントを通じて企業の「環境への取り組み(SDGs)」を自然な形で体験・共有できる点にあります。
「このミニチュアの材料は、実は自社の住宅資材や家具製造のプロセスで発生した廃材・端材をリサイクルして作った最先端の素材なんですよ」というストーリーを伝えることで、単なる楽しいイベントから、企業の社会的責任や素材へのこだわりをアピールする場へと昇華します。環境意識の高い現代の顧客層や、エシカルなテーマを求めるファミリー層に対して、強力な差別化と深い共感を生み出すことができます。
イベントで使える木質材料開発ならmarui lab
「自社でも木質3Dプリンターを活用して、このような環境配慮型のノベルティや体験イベントを企画してみたい」「自社製品のPRに繋げたい」と考えても、どこから手をつければいいか分からないケースも多いのではないでしょうか。大川の伝統木工技術とデジタルファブリケーションを融合させるmarui lab(株式会社井上企画)では、そうした企業の挑戦をトータルでサポートしています。
端材由来の高品質なmarui filament
marui labが提供する木質フィラメント「marui filament」は、地域の木材製造過程で発生する端材や廃材をアップサイクルして作られています。独自の混練技術により、3Dプリンターでの安定した出力(ノズル詰まりの抑制)と、水性顔料マーカーが美しく定着する絶妙な吸水性・表面質感を両立。企業のイベント運営を足元から支える高品質な材料です。
企業のイベント企画を支える試作支援
marui labでは、単にフィラメントを販売するだけでなく、企業が「自社製品をモチーフにした立体パズル」や「ノベルティ用のミニチュア」を開発するための試作支援・データ作成の相談も承っています。フィラメント式の3Dプリンターであればある程度自由な造形ができるため、他社で廃棄予定だった端材や、自社の製造ラインから出る廃材をフィラメントにアップサイクルして、完全オリジナルの環境配慮型ノベルティを作るといった深いストーリーを持ったブランディング施策も可能です。
まとめ
3Dプリンター造形物の「色塗り」は、これまではヤスリがけやニオイの強い塗料を駆使する、手間のかかる作業だと考えられてきました。しかし、木粉配合の木質フィラメントと水性顔料マーカーという組み合わせを選ぶことで、その常識は一変します。
下地処理がいらず、ニオイもなく、即乾で手軽に塗れるこの手法は、住宅展示場やショールームでのワークショップに最適です。自社の製造プロセスで出る廃材や端材を活用し、ものづくりの楽しさと環境への優しさを同時に届ける。そんな新しいサステナブルな顧客体験と自社製品PRの形を、ぜひ木質3Dプリントの世界で実現してみませんか。

